博士課程の堤さんの研究成果がCell Reportsに掲載されました

博士課程の堤さん、上垣くん(現Harvard Medical School)、山下くん(現ニチバン株式会社)の研究成果が2024年2月7日付けで「Cell Reports」に掲載されました。
還元酵素ERp18は亜鉛イオンと結合すると三量体を形成し、活性酸素種である過酸化水素(H2O2)を水(H2O)と酸素(O2)に分解することを明らかにしました。
また、亜鉛イオンが解離すると、酸化還元活性を持つようになり、亜鉛イオンを介したユニークな活性スウィッチがあることがわかりました。

ERp18の過酸化水素分解活性は、細胞老化や線虫の個体老化に影響を与えることも明らかにしました。この制御機構の発見は、細胞内の亜鉛イオン動態と、老化や酸化ストレスを原因とする疾患(アルツハイマー病などの神経変性疾患、腎機能障害、心不全など)を結びつける重要な発見であり、疾患発生メカニズムの理解から、新たな治療法開発の足掛かりになることが期待されます。

論文
Zn2+-dependent functional switching of ERp18, an ER-resident thioredoxin-like protein
Chika Tsutsumi#, Kaiku Uegaki#, Riyuji Yamashita, Ryo Ushioda*, Kazuhiro Nagata*
(#These authors contributed equally, *Co-corresponding authors)

https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(24)00010-X?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS221112472400010X%3Fshowall%3Dtrue#%20

大学プレスリリース

https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20240208_345_release_ka01.html

時事通信ニュース

https://sp.m.jiji.com/article/show/3161162

日刊工業ニュース

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00701128