潮田 研究室
[細胞内のタンパク質の一生と、その舞台]
我々の身体はタンパク質から出来ている。
タンパク質がどのように産まれ(合成され)、
そして死んで(分解されて)いくのか?
設計図“DNA”に従って産まれた未熟なタンパク質
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DNAの情報に従ってタンパク質合成装置リボソームで、
タンパク質としてはまだ未熟なポリペプチド鎖が合成されます。
Q1. タンパク質の材料は?
タンパク質は約20種類のアミノ酸が、
リボソーム内でペプチド結合で繋がります。
この鎖は、ポリペプチドと呼ばれます。
ポリペプチド鎖は構成されるアミノ酸の性質に従って、
フォールディング(立体構造形成)がなされ、
タンパク質として成熟するのです。
細胞の中で、タンパク質の“カタチ”が出来上がる仕組み
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タンパク質として成熟するためには、
それぞれ固有の“カタチ(構造)”を獲得する必要があります。
複雑な“カタチ”もありますが、
細胞の中でどのように正しい“カタチ”が得られるのでしょうか?
Q2. このタンパク質は3重らせん構造。このタンパク質は何?
コラーゲンは、α(アルファ)1鎖が2つとα2鎖が1つで、
三重らせんをまく繊維状のタンパク質です。
コラーゲンと聞くとお肌のハリなどを想像しますが、
我々の全タンパク質の約1/3はコラーゲンです。
どうして細胞の中でコラーゲンは
このようなカタチを上手に獲れるのでしょうか?
出来損ねたタンパク質の運命
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正しい“カタチ”を取り損ねたタンパク質は機能しない・・・
だけではありません。ときには細胞にとって毒になります。
適切に処分されないと細胞は死んでしまいます。
Q3. タンパク質の異常構造によって引き起こされる病気は?
タンパク質が上手く成熟するかどうか、
細胞は「タンパク質品質管理」によって監視し、対処します。
正しい“カタチ”がとれないタンパク質を、
修復する機構も備わっていますが、
それでも正しい“カタチ”が獲れなければ、
処分(分解)される必要があります。
タンパク質品質管理の破綻は、細胞死に繋がり、
様々な病気の原因になることが知られています。
例えば、神経細胞に異常タンパク質が蓄積し、
細胞死が起こると、
アルツハイマー病を発症することがあります。
写真、左の脳はアルツハイマー病の患者の脳で、
脳のしわの隙間が空いています。
これは神経細胞の脱落によるものです。
この他にも、糖尿病、癌や心臓疾患など、
タンパク質品質管理の破綻が原因とされる数多くの病気や、
老化のメカニズムに注目して研究を進めています。
潮田研とは?
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2019年4月 撮影
2019年4月より、発足された新しい研究室です。
受験を突破し、みなさまと研究できることを、楽しみにしております。
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